【弘法の井戸】・【笠塔婆(かさとうば)】東大阪市東豊浦町
【弘法の井戸】・【笠塔婆(かさとうば)】東大阪市東豊浦町
弘法の水のあるところに弘法さんが祀られています。その横に笠をいただいた「笠塔婆(かさとうば)」があります。高さ181cm、鎌倉中期弘安7年(1284)に建てられたもので阿弥陀如来座像の下に「南無阿弥陀仏」の六字名号が刻まれています。笠は、後に乗せられたもののようです。
井戸の水については、水質が悪化しているため現在は残念ながら飲むことができません。
場所:大阪府東大阪市東豊浦町(暗峠奈良街道沿い)
アクセス:近鉄枚岡駅下車、徒歩約30分。
(撮影:2017/3/16)
「弘法の水と笠塔婆(かさとうば)」
谷あいから湧き出すこの澄水は、通称「弘法の水」と呼ばれ、毎朝一升瓶や水筒を持った人達が飲料水として汲みにくる姿が見られます。
生駒山地にそった標高400m前後の谷あいには、マグネシウムやカルシウム分の多い硬水脈が連なっていて、これが暗越奈良街道の難所、暗峠を前にしたこの場所に湧き出しているものです。
古代以来、ひんぱんに利用されてきたこの山道を通る人々の潤いの場所となっていたことでしょう。
かたわらに、何体かの石仏がある中に、右手奥に一きわ高い石柱があり、これはもと笠をのせた笠塔婆(181cm)で、鎌倉時代中期の弘安7年(1284年)に建てられたもので、阿弥陀如来坐像の下に「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻んでいます。
当時、旅人の安全を祈って建立されたものか、あるいは南東かたのさんちゅうに存在した神感寺との関係があるものかもしれません。